理事長挨拶

学会ホームページの開設にあたって

理事長 有馬正高

1975年の第1回学術集会開催以来、本年9月には第38回を迎えます。

230人で始まった会員数は1600人を超え、機関誌も年3回に増え、内容も豊富になりました。本年は学会のホームページ開設を理事会が決定し、編集委員長がその準備を進めています。

日本で重症心身障害の対策が始まったのは1960年頃です。病院も学校も受け入れを拒んだ障害の重い子達を迎えて、人並みの医療、安全な生活と発達を保障できる施設をと訴えた先覚者と親達の声を国が受けとめ、法律を制定し「重い知的障害と運動障害が重複する子達」のために国立の専門病床8000床と公法人立の病院が全国に誕生しました。

しかし、重症児施設に初めて勤務した医師等の職員は、かつて経験のない多彩な療育の課題と相継ぐ死亡への対策に忙殺されました。1970年代に入ると、詳細な解剖所見や死因の世界最初の研究が進み、日本独自の制度に支えられた重症児医学が発展しました。特に1980年から厚生省研究委託による研究班が続き、国立私立施設の医師に加え、大学、研究所等の人達も参加して知識や技術の開発も進みました。医療面では、施設内の死亡が激減しました。理由は日常の生活支援の改良に加え、耳鼻咽喉科、歯科、小児外科等による気道や消化管機能を支える医療の貢献が大と考えます。施設生活が永くなった重症者のQOLの向上は共通の目標とされ、自己決定権と参加に関し夢とされた理想の実現に向けた成果も期待します。一方、在宅児者の超重症化と家庭ケアの困難さは著しく、社会医学的開発が望まれます。

ホームページのもつ情報伝達の迅速性と広域化が、重症心身障害児(者) の療育に先駆的役割を果たしてきた本学会会員にとって有用な手段になるよう期待します。

理事長 有馬正高

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